なぜ、「逆浸透膜」なのか

初めてダッカに滞在して、市販されているミネラルウォーターをチェックした時、最初に感じたのは水質基準がどこにあるかであった。 既に地下水から砒素をはじめとする有害重金属物質が取り沙汰されていたし、日本へ持ち帰って詳細な水質検査をした結果からも、多くの有害物質が検出されていた。

世界基準として、WHO(世界保健機構)の水質基準が定められており(バングラもそれを採用していた)、EU、米国、日本等夫々にWHOの基準を基礎に、独自の基準を設けているところが多い。因みに最も水質基準の高い(厳しい)のは米国で、項目によっては日本の10倍、100倍もの厳しい規制がかけられている。WHOの飲用水としての基準値は必要最低限のものであると考えられ、独自の基準を定めている国々はより厳しい値(基準)を需めていると言って良い。 沸騰、曝気、沈殿等の処理を施しても砒素、水銀、鉛。カドミウム等の、所謂重金属類は取り除くことは出来ない。それら人体に有害な物質をどのようにして取り除き《安全な水》を造るか。それだけがどんな不純物質が混入しているか判らぬ国や地域で水を作る最初で最後の主題となった。
しばしば、人は「おいしい水」を求めるが、おいしい・まずいは人夫々の主観であって、少なくとも身体に摂る水は「安全性」が最優先されるべきだと思う。 殊に、多くの有害物質や、重金属類が検出されている地域では当然のことだろう。
そこで、永く日本で学んでいた「逆浸透膜方式」の濾過システムを採用したのである。

究極の浄水器

今、「浄水機器」「浄水システム」としては日本だけでも何百種類というそれらがあるが、本当に《安全な水》を造れるシステムは、逆浸透膜方式しか考えられない。
それは人口の半透膜で作られた「メンブレン」と呼ばれる超微細な孔を持つ特殊なフィルターが心臓部に使われているからだ。 その孔は1000万分の1ミリと言う電子顕微鏡の世界の細かさであり、水の分子がやっと透過できるという微細なものなのだ。これなら重金属類をはじめ、日本で問題になったトリハロメタン等の発ガン物質、細菌類、ウィルス等を95%以上除去できるのである。 米国で打ち上げられているスペースシャトルには必ずこのシステムが搭載されているし、米海軍の原子力潜水艦、空母等にも利用され、国連PKOの日本派遣隊にも帯同された。人体の排泄物や海水からでも、どんな地球の地下水からでも、常に《安全な水》を造ることが出来るシステムとして重用されているのだ。

大切な正しい知識

有害物質の除去率が95%以上と言うことになれば、水に含まれる所謂ミネラル分なども当然除去してしまう。すると「逆浸透膜方式の水は純粋すぎて良くない。ミネラル、カルシウムを含んだ栄養のある水の方が良い」なる珍説を唱える輩が出た。

成程、一見至極最もな意見のようだが、自らの日常生活を顧みない暴論である。
人体の70%は水であり、血液の95%も水であることは誰でも識っている。その水が何の不純物も含まないものである方が良いことは自明の理であろう。
水は純度が高いほど溶解性、浸透性、熱伝導性に優れ、体組織に速やかに浸透・吸収されて臓器の働きを活性化させ、老廃物の排泄を助長する。
又、すべての物質は有機質と無機質に分けられることもご存知であろう。

身体に鉄分が必要だと言って、釘を食べたり甞めたりするだろうか。 カルシウムが必要だと言って、グランドに白線を引く石灰を食するだろうか。
ミネラル分、カルシウム分を人間の身体に吸収出来るのは野菜・果物・肉類・魚等の食物だけであり、それらが体内の臓器の活動によって咀嚼され、初めて栄養素となるのだ。子供の頃、「鉄分が豊富な“ほうれん草”を食べなさい」「カルシウムを摂るには牛乳が一番!」などの言葉を聞いたことがある筈である。
即ち、水に含まれるミネラル、カルシウム等はその殆どが無機質であるため、身体には害になることはあっても益になることはないと言って良い。
海外のミネラルウォーターを飲むうちに体内結石になったり、腎臓を病んだりした事実がそれを証明している。又、幼児のミルクに海外のミネラルウォーター使用した結果、下痢症状を惹起したなどの話も覚えておられる方も多いだろう。 水に含まれるミネラル分の働きとしては精々味が変化するくらしかないのである。
併せて「何故、逆浸透膜なのか Q&A」をご覧下さい)  (2010年1月23日)